原爆中心

  • 土方巽 大野慶人
  • 14分钟
  • 物語は、かつて太古の昔、神との約束を破り、禁断の木… 物語は、かつて太古の昔、神との約束を破り、禁断の木の実を食べた男アダムと女イヴ、神聖な誓いを破ったその瞬間、神の怒りにふれて、地球は最初の核爆発により全ての生き物は絶滅した。それから数万年、いや数億年を経て、地球は再び蘇生し、平和が訪れ、鳥はさえずり、人の子らは海辺で戯れる。その時、子供らの楽園に一人の男が現れた。男は触れてはならぬものに触れた。それは子供のへそだ。へそこそ母親の胎内から繋がってきた命のひも、生命の絆である。それはみだりに触れてはならぬものだ。世の中にはもう一つ触れてはならないモノがある。それは原子爆弾のボタンだ。子供のへそと核爆弾のボタンこそは絶対に触れてはならぬモノだ。核爆弾の歴史はわずか70年、生命の源であるへその緒は何十億年、人間のへその緒でも数億年、人間のへその緒は決して濫りに触れてはならぬモノ、命のふるさとだからだ。いま、海からやってきて子供のへその緒にふれた男〈土方巽)がいた。ああ、終わりだ。へその緒からあのキノコ雲が、ああ、終わりだ。それから数億年を経てまた新しい地球はアダムとイヴの昔に帰り、同じ海岸に同じリンゴが転がっている。音楽は前田憲夫(ピアノ)、渡辺貞夫(サックス)、猪俣猛(ベース)日野皓正(トランペット)。

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